2012年4月14日土曜日

進撃の巨人7巻

進撃の巨人は当初、人間の論理の通じない巨人との弱肉強食のサバイバルという趣であったが、物語が進むにつれて巨人が人為的な存在であることが浮かび上がる。第6巻のラストで、その謎を解く手掛かりが得られたかに見えたが、第7巻でひっくり返される。分かったことは敵勢力が想像以上に巨人を使いこなしていることだけであった。
巨人の謎解きは進まず、第7巻でも第6巻に続いて主人公エレンの決断をめぐる葛藤がメインテーマになる。第6巻では仲間を信頼することで好結果を得たが、第7巻では悲惨な結果をもたらした。唯一絶対の正解を出さないところに進撃の巨人の面白さがある。
尾田栄一郎のワンピースに代表される現代の少年漫画は主人公が信念を貫くことを何よりも大切にする傾向がある。ニュータイプとしての素養を持ちながら地球連邦という腐敗した体制の歯車になる機動戦士ガンダムのアムロ・レイのようなキャラクターは現代では流行らない。このこと自体は「長いものに巻かれろ」の日本社会において非常に好ましい傾向である。
一方で価値観の多様性に立脚しない信念は「俺の考えが唯一絶対」という幼稚でナイーブな独善に陥ってしまう。唯一の正解を簡単には出さず、キャラクターに葛藤を続けさせる進撃の巨人はメジャー作品に対抗する価値を提示する。
この巻ではミカサとリヴァイ兵士長の共闘も見物である。天才的な戦闘能力を有するミカサと人類最強と呼ばれるリヴァイの何れが強いか、気になるところである。今回はリヴァイが冷静さを保ち、経験の差を見せつけた。林田力
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