2012年4月14日土曜日

白竜22=?iso-2022-jp?B?GyRCNCwbKEI=?=、野獣空港

白竜22巻は前巻から引き続き、野獣空港編である。単行本では複数のエピソードが収録されることが多いが、この巻では丸々野獣空港編が続き、しかも完結していない。敵はゼネコン、都知事、暴力団、主人公サイドも白竜と下請け建設会社というように複数のアクターが各々の思惑で動いている点が物語を複雑にしている。
大手ゼネコンとヤクザの癒着をあからさまに描いた野獣空港編。東急建設が暴力団系企業を下請けに使ったことが明らかになったばかりであり、タイムリーな話題であるが、この巻では一歩踏み込んでいる。
建設会社が暴力団と癒着することについて、建設会社サイドは暴力団からの嫌がらせを避けるためと言い訳することが多い。実際、東急建設も、そのように説明する。このような言い訳によって暴力団と癒着した建設会社は自分達にも被害者的な側面があると自己正当化を図れる。
これに対して、野獣空港編のゼネコンはマスメディアに真実を話そうとする下請け建設会社を沈黙させるために暴力団を利用する。暴力団と癒着する建設会社も市民社会の敵である。建設業界と暴力団の癒着の闇の深さを浮き彫りにする。
野獣空港編は主人公サイドのアクターに下請け建設会社という弱い立場の存在がいることである。白竜のように将来を見通す能力も自信もない。普通ならばゼネコンに利用され、泣き寝入りさせられる存在である。
それが白竜に煽られてゼネコンと対決姿勢を示した結果、ゼネコン側の反撃で一層窮地に追い込まれてしまう。
白竜に一杯食わされたとぼやきたくなるところである。実際、下請け建設会社社長は、そのような発言をしている。しかし、それで終わらないところが、下請け建設会社の偉いところである。泣き寝入りをしたところで、それにゼネコンが恩義を感じることはなく、潰されるだけだと分析する。故にゼネコンとの対決姿勢は正しかったと結論づける。
残念ながら、ここまでの考えに到達できる人は現代日本では少ない。大企業などはアメとムチで消費者や労働者、下請け企業など立場の弱い人々に迫る。
アメが本当にアメならば一応は取引として成り立つが、往々にして悪徳企業はアメの期待を持たせるだけで何らのコミットもしない。用が済めば弱者の期待は裏切られる。それ故に下請け建設会社社長のように腹をくくらなければならないが、甘い期待から戦うことを放棄し、すりよってしまう愚か者も少なくない。下請け建設会社社長のような腹をくくった人が多ければ閉塞感漂う日本社会も、もっとましなものになるだろう。林田力
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