2012年3月17日土曜日

平清盛の人気の二極化

大河ドラマ平清盛の人気が2極分化している。視聴率はふるわないものの、マニアックな人気が高い。知名度の低い時代ながら、悪左府や信西ら魅力的なキャラクターを魅力的に描いている。源義朝の関東下向など本筋と直結しない話にも目を配り、後に源頼朝が関東で大勢力を築くことができた背景が理解できるようになっている。
信西の登場シーンでは穴にはまっている。これは単なるドタバタギャグに見えるが、平治の乱で穴の中に隠れていたエピソードを知っている歴史ファンには面白さが倍増である。一方で、このような演出は一般の視聴者を置いてけぼりにしてしまう危険がある。
西行の出家も同じである。出家する西行が娘を蹴っ飛ばすエピソードは有名である。出家を宣言した西行を思いとどまらせようとした娘を振り切るために蹴っ飛ばすという展開が定番である。ところが、ドラマでは脈略なく西行が娘を蹴っ飛ばした。これでは単なるドメスティック・バイオレンス、児童虐待である。
西行のエピソードを知っている視聴者は娘が登場した時から「この娘を蹴っ飛ばすのか」と期待しながら観ている。それ故に唐突に蹴っ飛ばしたとしても驚きは少ない。コンテキストは既に歴史エピソードとして理解しているためである。しかし、エピソードを知らない視聴者には脈略のない意味不明な行動になる。
平清盛は朝廷政治の腐敗から武士の時代の到来を肯定的に描き、天皇家のドロドロを直視するなど菊タブーに挑戦する大胆な歴史観を提示している。このために二極化せずに幅広い視聴を期待したい。林田力
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