2012年3月10日土曜日

バクマン一話完結じゃない

漫画家を主人公とした漫画バクマン17巻で一話完結じゃない一話完結という手法が紹介された。これは漫画家が自己の過去の作品を読み返し、そこで登場した設定を伏線のようにして、新たな話に活かす手法である。
練り込まれた長大な伏線はマンガ作品が人気を集める大きな要因である。ワンピースでは序盤で海賊見習い時代に喧嘩するシャンクスとバギーを殴る人物が登場する。海賊船の船長のようなポジションであるが、何故か船長とは呼ばれていなかった。その人物が中盤に入って副船長だったことが明らかになる。このような練り込まれたストーリーが人気の秘訣である。
伏線とは対照的に恥ずかしいとされるものが後付け設定である。ワンピースは最初から構想された緻密な世界観が魅力であるが、人気作にはアンチも生じる。第一話で、あっさりと自分の片腕を奪われてしまうシャンクスが、物語が進むと四皇の一人という世界最高クラスの海賊になっている。シャンクスを四皇とすることは後付け設定ではないかと批判される。
問題は後付け設定は、それほど恥ずかしいことか、ということである。漫画家や小説家の卵が陥りがちな失敗に設定を細部まで詰めることに注力して、それで終わってしまい、作品を仕上げられないというケースがある。これは後付け設定恐怖症というべき失敗例である。
これに対してバクマンの一話完結じゃない一話完結は最初から後付け設定を目指しているが、それは努力の賜物である。自己の作品を丹念に読み返して使えそうなネタを探し出す。漫画家は後付け設定のために大変な努力をしている。自己の過去の作品を大切にする作者でなければ後付け設定はできない。後付け設定を嘲笑する傾向に対して、バクマンは後付け設定の価値を宣言している。林田力
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