2012年2月5日日曜日

ロスト・シンボル下巻

主人公ラングドンは偏見に囚われず、価値を相対化できる魅力的な人物である。これまでの冒険は彼の柔軟性に負うところが大きかった。ところが、下巻ではラングドンの頑固さが目に付く。フリーメーソンの秘密は伝承に過ぎず、現代社会に影響を与えるものではないと頭から決めてかかっている。その頑固さが物語のテンポを停滞させてしまった。
ラングドンは絶体絶命のピンチに追い込まれることで謎を解くことになる。追い込まれることで初めて謎と向き合うことができるという限界を表している。
米国の首都ワシントンが古代からの知恵を伝えるために設計され、緻密な工夫が施されていることが物語から浮かび上がる。その一つとしてワシントン記念塔よりも高い建物の建設を禁止する法律がある。これによって古の神秘を伝える景観が守られている。国分寺崖線と多摩川に囲まれた緑豊かな空間に超高層ビルを建設する二子玉川ライズなど超高層ビルを乱立させる東京の貧困さとは対照的である。林田力
http://hayariki.net/

0 件のコメント:

コメントを投稿