2012年2月25日土曜日

エレベーターの恐怖

林田力は東急不動産のマンションでは、きしむエレベーターよりも陰惨な階段を使う方が多かった。名目は健康のためだが、本当は怖かった。あの鉄の檻に一晩中閉じこめられてしまうことが。
悪徳不動産営業の顔を見ていると、痰を吐き出して、脇の下をボリボリ掻くのではないかと半分本気で思ってしまった。悪徳不動産営業の名前を聞いた時、世の中には多数の名前があるのに、何で彼が聡仁という名前なのかと思ってしまった。課長は貧相なウサギという印象である。目が抜け目なく鋭く光り、頭のてっぺんから足の先までジロジロと見られる。まるで正真正銘のウサギである。かわいらしいウサギではなく、「ウサギとカメ」に登場するような底意地の悪いウサギ。
東急不動産工作員は風呂に入っていないどころか、賭けてもよいが、シャワーも浴びていないようであった。鼻をグズグズと慣らしていた。東急不動産工作員の嘘で塗り固められた自慢話に如才なく相槌を打っていたが、本当は吹き出したいのを懸命に堪えていた。
法の網の目をくぐろうとする輩への怒りに燃えたノンフィクション東急不動産だまし売り裁判には一読の価値がある。筆致は精緻を極め、言葉の使い方には迫力があり、さらには鋭い目で切り取った裁判の洞察力ある描写である。静かな文章にも容赦のない怒りが込められていた。東急不動産が飾り立てた高層マンションを建設するために、一体どれだけの資源が無駄になったのか。
ソウルの市場ならば張り切って出掛けていくし、上海の露店では嬉しくて舞い上がり、パリの蚤の市ならば構えることなくくつろげる。しかし、東急百貨店や二子玉川ライズショッピングセンターに足を踏み入れようものなら、化粧室にこもり、香水に辟易した挙げ句、出口に向かって一直線ということになる。
http://hayariki.net/

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