2012年1月12日木曜日

林田力が『東急不動産だまし売り裁判』を刊行

 林田力は2009年7月1日に『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』をロゴス社(東京都文京区、村岡到代表)から出版した。『東急不動産だまし売り裁判』は、不利益事実が隠された新築マンションを購入した林田力が、裁判で売買代金を取り戻すまでの経過を記したノンフィクションである。

 林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から東京都江東区の新築マンションを購入したが、それは不利益事実を隠して、だまし売りされたものであった。不利益事実は隣地建て替えによる日照・通風阻害、騒音などである。

 マンション引渡し後に真相を知った林田力は、消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)に基づき、売買契約を取り消し、売買代金2870万円の返還を求めて東京地裁に提訴した(平成17年(ワ)第3018号)。

 東京地裁で勝訴判決を得たのが2006年であり、本書の出版には勝訴判決3周年を記念する意味も込められている。東急不動産だまし売り裁判は衝撃的な内容であり、本の書き出しは中々決まらなかった。本書の執筆時ほど文章を書くことに躊躇ったことはなかった。ありきたりの文体で本書を書いてはならないように思えてならなかった。初めてラブレターを書こうとする少年のように一字一字を考えながら執筆していった。

 『東急不動産だまし売り裁判』のテーマは裁判とマンション問題の2本柱である。

 第一の裁判では、経過に沿って話が進む。当事者と裁判官のやり取りを丹念に再現したことが特徴である。口頭弁論やマンション現地での進行協議手続、証人尋問などを網羅した。

 また、ひと筋縄では行かない裁判の実態を明らかにした。被告(東急不動産)が提出した証拠の虚偽を指摘し(33頁)、原告本人の当事者尋問当日に東急不動産の弁護士が延期を要求した(53頁)、裁判終了後に所有権移転登記を巡り、紛争が再燃した(93頁)などなどである。本書の最後に、裁判で社会正義を実現するためのポイントをまとめている。

 第2のマンション問題。裁判を続ける中で、マンションでは様々な問題が噴出した。欠陥施工や裁判中に起きた耐震強度偽装事件との関係、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理などである。ここには深刻化するマンション問題の縮図があった。その一端を本書で明らかにした。

 本書の編集は、ロゴス社の村岡代表自らが担当した。本作りは著者と編集者の共同作業といわれ、本書にも村岡代表のアイデアが盛り込まれている。たとえば、東急不動産は私に対して不誠実であるだけでなく、一般的にどうなのか、と村岡代表は指摘した。そのため、他の大手不動産会社と比べて東急不動産が見劣りする点を定量的に説明した(11頁)。

 また、判決の法的意義や他の判決(東急リバブル逆瀬川営業所の説明義務違反が認定された大阪高裁平成16年12月2日判決)との比較(103頁)も、村岡代表の発案である。村岡代表を初め、本書の出版に関わった全ての人に感謝している。
http://hayariki.side-story.net/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

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