2012年1月11日水曜日

林田力『東急不動産だまし売り裁判』コメントがサイゾーに掲載

出版社サイゾー(東京都渋谷区)は2010年11月1日に『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』を発行した。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』も告発本として紹介され、林田力のコメントも掲載された。

『タブー破りの本300冊』は月刊サイゾーに掲載された特集「タブー破りの本」シリーズを再構成し、新たに記事を追加したものである。たとえばサイゾー2010年1月号(2009年12月18日発売)では「日本の裏側がわかる危ない本100冊」と題して「ヤバイ本 タブーな本」を特集した。拙著『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』も告発本として紹介された。

真田十勇士のナンバー2「霧隠才蔵」が誌名の由来であるサイゾーは「視点をリニューアルする情報誌」をコンセプトとし、マスメディアが流す大衆向けの画一的な情報の真相・深層を独自の視点で検証することをミッションとする。「タブー破りの本」シリーズも、そのミッションにふさわしい内容になっている。

タブー破りの本とは大手メディアでは取り上げないテーマを扱う本、体制や特定の団体から強い反発がある本、常識や価値観を覆す強い衝撃を持っている本などを指す。取り上げられた300冊は警察不祥事やヤクザ、タレント本やイケメン写真集、ドラッグなど実に雑多で幅広い。それでいながら書籍のポイントを得た紹介になっている。たとえば増田美智子『福田君を殺して何になる』は記事「あなたは「死刑」に賛成?反対?己のスタンスを考えるための本」で紹介されている(66頁)。

この書籍は光市母子殺害事件の被告人の実名掲載で話題になったが、被告人を死刑とすることが正しいのかという点が著者の問題意識であった。その意味で実名掲載の是非に終始する傾向のあったマスメディア以上にサイゾーは『福田君を殺して何になる』を正しく位置付けている。

興味深い記事は「ケータイ小説没落の穴を埋めるギャルたちの"闇"と"病み"自伝」である(76頁)。ここでは益若つばさや雑誌『小悪魔ageha』に代表されるギャル系の動向を分析する。ギャルと言えばキラキラと着飾っているイメージがあるが、記事では自らの抱える「病み」の部分をフィーチャーした点をギャル本の特徴と分析した。

その代表例として、両親の離婚、高校退学、摂食障害、キャバクラ勤務、薬物依存などを赤裸々に描いた、池田ゆい『狂食ギャル いつも自分の居場所をさがしていた』を紹介する。きらびやかな外見と繊細な内面、ここにギャルの思想性があるとする。

この二面性は林田力が取材を受けた「警察、学会、不動産、農業……内部告発が切り込む闇」にも通じる。ここでは仙波敏郎『現職警官「裏金」内部告発』、矢野絢也『黒い手帖—創価学会「日本占領計画」の全記録』などの告発本を扱っている。拙著『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』も不動産売買トラブルの当事者によるノンフィクションと紹介された。

記事では告発そのものだけでなく、告発者が受けた理不尽な扱いや告発のリスクに言及した。告発者のエネルギーは不正に対する激しい怒りである。このために告発本が攻撃的性格を帯びることは必然である。一方で告発者は不正に傷つき、苦しむ存在である。単に話題となった本を紹介するだけでなく、告発者の痛みにまで目配りした記事になっている。

林田力は出版によるメリット・デメリットを具体的にコメントする(46頁)。出版のメリットは東急不動産だまし売り裁判について多くの方に知ってもらえたことである。出版をきっかけに取材も受けた(佐藤裕一「東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口」MyNewsJapan 2009年9月3日)。また、市民運動の集会でも発表した(景観と住環境を考える全国ネットワーク首都圏交流会、2009年11月24日)。

あからさまなデメリットはないが、強いてあげるならば不動産業者からの嫌がらせまがいの勧誘電話が増えたことである。出版との因果関係は断言できないものの、勧誘電話は裁判中からあり、裁判で売買代金を取り戻した後しばらくは静かだったが、出版後に復活した。

出版後の反響として、東急リバブルや東急不動産から欠陥住宅などをだまし売りされた購入被害者からの話が多い。同じような被害に遭われた方は少なくなく、東急不動産消費者契約法違反訴訟アルス東陽町301号室事件は氷山の一角に過ぎないと実感した。東急リバブル・東急不動産との戦い方について助言を求められた方もいる。また、個人による不動産会社相手の裁判という点で、マンション反対運動に携わる方からも反響があった。(林田力「サイゾー『タブー破りの本300冊』で感じた告発者の痛み」PJニュース2010年11月2日)
http://hayariki.kakuren-bo.com/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

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