2011年12月1日木曜日

二子玉川ライズ住民訴訟控訴審準備書面(1)

  被控訴人の答弁書、及び平成23年2月24日付準備書面(1)に以下の通り反論する。

第1 争点1  地方自治法242条2項但し書きについて
1 争点1は、そもそも違法不当な公金支出の監査請求について、「1年を経過したときは、これをすることができない。ただし正当な理由があるときは、この限りでない。」とする地方自治法242条2項但書きの解釈に関する重要な争点である。
(1)最高裁判決の解釈の誤り  本質は正当な理由の解釈を広げる判断
 本件について、原審判決、及び被控訴人らは、請求を却下する理由として最高 裁平成14年9月12日第1小法廷判決を引用しているが、その判例の解釈に誤りがある。
同判例の解釈によれば、本件において、「原告X2が情報公開請求をした平成18年2月ころには、世田谷区の一般住民において、相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて本件監査請求をするに足りる程度にその対象とする財務会計行為の存在及び内容を知ることができたと言うべきである。」
と判断することは誤りである。
 この点について、被控訴人が引用する最高裁平成14年9月12日第1小法廷判決の趣旨は、この但し書きの正当理由を、立法担当者の解説よりも、昭和63年4月22日の最高裁判例よりも、さらに広く認めたことに意義があるのである。(判例時報 1807号 平成15年3月11日号  64頁〜65頁)
 すなわち、昭和63年判決の枠組に関し、従来、「当該行為が、隠蔽、仮装等により、法が予定している以上に客観的に知り難くされることまでは要するか、住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができるか否かで見るべきか」見解が分かれていた点については、後者とした。さらに、知ることができた対象が「財務会計行為の存在だけで良いのか、その内容も含まれるのか。」とについても、見解が分かれていが、これについても後者とした。
 地方自治法242条2項本文が、法的安定性の確保の観点から監査請求期間を定めたものであるが、財務会計行為がことさらに隠蔽されている場合だけでなく、「一般の住民が相当の注意力をもって調査しても、財務会計行為の存在やその内容を知り得ない場合」にまで広げて解釈することによって、法的安定性の確保を押し通すことが相当でないとしたのである。従って、ここには、住民自治における直接参政権行使としての監査請求の要請を、同条本文の法的安定性の確保よりも、優先させるべきであると言う判例の変遷の方向性がはっきりと見て取れるのである。
 実際に、行政の財務会計行為の詳細な内容を、一般の住民が知りうることは、極めて制限されることが多い。通常は決算審議で翌年度になって一定の項目単位の合計額で示されることで、公になるが、それでも、個別の財務会計行為の日時までは不明で、実際の支出行為時からは、相当時間を経てから明らかになることが多い。そのような実態のもとで、但し書きを厳格に運用することは、実質的に住民の監査請求の機会を著しく奪うことになり、許されない。
http://www.hayariki.net/futako/110422jyunbi.html

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