2011年11月17日木曜日

二子玉川ライズによるによる洪水被害の拡大

本件再開発事業地周辺地域の特性と再開発事業による洪水被害の拡大

本件再開発事業地域は,「武蔵野台地の南西端に連なる比高約30mの急崖(国分寺崖線)の下に連なって,多摩川に接する帯状の低地」である(甲116)。多摩川の堤防に沿って,改修前の堆積物である自然堤防が残っており,この一帯はかつての後背湿地であった。したがって,排水設備が完備していなければこの一帯は常に水がたまって湿地化しても不思議ではない地域なのである。本来この湿地の排水を担っていたはずの丸子川は,人為的に流路が崖線側に寄せられたため,現在は本来の流路からは標高にして約3m程高い位置にある。このため,丸子川が氾濫すればこの一帯に水を流し込むが,溜まった水を排除する機能は低い(甲116)。この点について,坂巻証人は,証人調書(甲120)3頁以下において,本件再開発事業地周辺地域の地形について詳細に証言し,さらに次のように述べ,上記事実を裏付けている。

丸子川は用水路ということだったんですけれども,このような川に,このすり鉢状の低いところにたまった水を排水する機能というのはあるのでしょうか。

当然水は下から上には流れませんので,そういう意味ではスープ皿のような地形のところにたまった水を排水する機能は,丸子川にはありません(坂巻証人調書6頁)。

また,この地域は,環八豪雨と呼ばれる局所的集中豪雨の多い地域である。環八豪雨とは,都内の区部西部付近でみられる局所的集中豪雨の別称で,都内で頻発する局所的集中豪雨が「環八雲」と呼ばれる環状8号線の上空に現れる積雲からもたらされ,環六通り〜環八通りなどの区部西部付近に集中する傾向がある(甲127「東京都豪雨対策基本指針」)ことから名付けられたものである。本件再開発事業地周辺地域は,環状8号線の南西に位置し,都内でも局所的集中豪雨の多発する地帯である。そして,今後も進むであろう地球温暖化,本件再開発事業を含め都内各所で行われている高層ビルの建築によるヒートアイランド現象により,さらなる局所的集中豪雨の頻発が懸念されている。

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