2011年10月13日木曜日

二子玉川ライズ住民訴訟控訴理由書:地域特性を無視

� これに対し原判決は,「同エリア内には商業や事務所機能が集積している場所もあって,上記の指針を一律に適用するものともいい難い」として,本件再開発事業決定等に基づく事業が必ずしも上記指針に沿わない部分があるとはいえるとしても,直ちに本件環境基本計画に適合せず,考慮すべき事項を考慮しなかったゆえ違法とされるべきであるとまでは言えないと断じた(原判決32頁)。しかし原判決は,本件再開発地域を含む二子玉川地域の地域特性を無視していると言わざるを得ない。

� 二子玉川地域の地形を特徴づけている国分寺崖線は,多摩川が10万年以上の歳月をかけて武蔵野大地を削り取ってできた段丘であり,国分寺崖線の斜面には,貴重な自然の緑地が広がり,湧水も豊富である。周辺には,多くの貴重な動植物が生息している。世田谷区が,区の三大自然宝庫と定めている「等々力渓谷,国分寺崖線,湧水」のうち.に二つが至近に存在する優良な環境の地域である。さらに,国分寺崖線から多摩川の方向を望むと,大きな空が広がり,丹沢の山並みや富士山の眺望が得られる地形である。このような豊かな自然と美しい風景に恵まれた二子玉川地域には,大正から昭和初期にかけて別荘が多く建築され,現在も当時の面影を残した建物が点在する。第2次世界大戦後は住宅建築が進められたが,周辺が風致地区に定められ,土地利用が規制されることによって,二子玉川地域の豊かな自然と美しい眺望が保全されたのである。

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