2011年10月10日月曜日

二子玉川ライズは経済的基礎の欠如

バブル経済期に考えられた二子玉川再開発は長期不況や少子高齢化という現在の経済状況では完全に時代遅れであり、経済的基礎が欠けます。六本木など都心部がやり尽くした再開発を今頃になって二子玉川が真似する意義はありません。それは国分寺崖線と多摩川に挟まれ、自然と共存してきた二子玉川の魅力を破壊するものです。
加えて参加組合員である東急電鉄や東急不動産には再開発事業を「的確に遂行するために必要なその他の能力」が欠けています。
事業遂行能力としては、最初に物理的に事業を行うための経済面や技術面の能力を想起します。どちらも東急グループには欠けています。
経済面については「経済的基礎の欠如」で述べたとおり、この時代に超高層ビルを中心とする計画案を作成する東急グループは、社会状況や市場動向を的確に判断する能力が欠けています。
技術面については騒音や振動など住民への配慮に欠ける第一期事業の工事の進め方から地域社会と調和して事業を遂行する能力に欠けていることは明らかです。この点は意見書の「乱暴な工事」で述べています。
より重要な事業遂行能力として、公共の福祉に寄与できるかという点があります。再開発は地域社会に大きな影響を及ぼすものであり、公共の福祉に寄与することが求められます。これは都市再開発法第1条の目的に定められています。それ故に事業認可の基準になっている事業遂行能力も、物理的に事業を行う能力だけでなく、公共の福祉に寄与できるかという見地から判断する必要があります。まさに、この点が東急グループには決定的に欠けています。
東急グループは街づくりを担えるような体質ではなく、事業を遂行する能力に欠けます。東京都情報公開条例に基づく2010年3月1日付の開示請求により第1期の再開発事業における「意見書及び口頭陳述要旨整理票」が開示されました。そこでは東急グループの体質を批判する声が数多くありました。代表的な意見を読み上げます。

「東急により、立ち退きで(店の場所を)変わることになった。そのときも、いきなり弁護士を連れてきての一方的な対応であり、馴染みのお客から離れなくてはならないので、代替地をしっかり見つけて欲しいなど要望したが、こちらの要望は全く聞き入れられなかった。東急のやることは全てこちらを不安にさせる。会報さえもらえなかった。」
「小さな庶民はお金さえもらって地区外に出て行けばいい、それでなければ開発の建物に入ればいい。そのようなことでしか見てもらえない。結局、東急が大きな土地をどうにかしたいという計画である。不安だけで何のメリットもない、明日も見えてこない。」
「東急の経営状態を見て認可すべきだ。」
「企業が数十年も前から土地を買占め、住民の生活に不安を与えてきた。」
「開発区域の大半が東急電鉄の私有地であり、再開発は公的資金による東急の経営支援である。」
「東急は自分のところの利益の拡大を考えている組織なので、検討しますとは言うが、そこから先は具体的に決まってからと答えが何もないのが事実である。」
「東急グループとして有利子負債を1兆2千億円(短期が3千、長期が9千)かかえている。本来なら不良資産として取り上げられるべきもの。東急グループの売上げはたかが1兆円である。それに対して都や区が税金を投資しても無駄になる。」
「東急の施設の周辺は道路に木々や雑草を生やしっ放してあり汚い。そのため、東急は信用できない。企業の言うこととやることが違う。」
「小売店がどんどんつぶれている。ささやかな人と人との結びつきがある所なのに、東急主導のまちづくりに憤りを感じる。」
「東急の事業に世田谷区が相乗りして、一部の地権者が食いついたというのが今回の再開発の図式。東急主導の再開発で公的な再開発といえるのか。行政としては、ブレーキをかけるべき。」

ここから浮かび上がる東急グループの体質は、第1期の再開発事業に限定されるものではありません。東急の本質的な企業体質となっているものです。
私も東急の被害者です。私は東急不動産から新築マンションを購入しましたが、それは不利益事実を隠した、だまし売りでした。東急不動産と販売代理の東急リバブルは、マンション建設後に隣の土地が建て替えられ、日照や眺望、通風が妨げられるという不利益事実を隠して販売しました。引渡し後に真相を知った私は消費者契約法第4条第2項に基づき、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻しました。この問題は拙著『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』で詳しく述べています。
東急グループの対応は不誠実の一語に尽きます。それは二子玉川再開発に対する意見書で表明された住民の憤りと重なります。このような東急グループの体質は再開発事業を的確に遂行する能力に欠けるものです。

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