2011年10月20日木曜日

都市計画法7条の8の2違反

5 争点5(4) 都市計画法7条の8の2違反(再開発地区計画)

(1) 再開発地区計画制度の目的

ア 公共的利益に資すること

都市再開発法7条の8の2第1項には,再開発地区計画の目的を,土地の「合理的かつ健全な高度利用」と「都市機能の更新」をはかることと定めている。

これらの文言は必ずしも一義的に明確な基準を示すものではないが,再開発地区計画制度は,従前の都市計画的規制を変更し,容積率等の公的規制を緩和するものであり,それが容認されるのは,公共的利益に資するものではなくてはならないことは異論がないはずである。公共的利益に資するものといえなければ再開発地区計画として認められるべきでないことは,争いの余地がないことである。

上記のような考え方を前提にすれば,上記目的規定における「合理的かつ健全な土地利用」とは,地域環境改善等の公共的利益に資するような土地の利用でなくてはならず,土地の収益を高めることを主眼とするような高度利用は再開発地区計画制度の目的にはそぐわないものと評価されることとなる。

そして同様に「都市機能の更新」とは,何でも新しくすればよいのではなく,従前の都市機能の改善につながるようなものでなくてはならないと解される。

原判決は「再開発地区制度の趣旨,殊に,同制度は大都市圏における宅地及び住宅,業務床の供給の促進をはかることをその趣旨の一つとするものであることに照らすと,『環境効用を高める土地利用』でなければ『高度利用』に当たらないとまではいうことができないと」して控訴人の都市計画法7条の8の2違反の主張を排斥している。
http://www.hayariki.net/futako/appeal101111.html
しかし住宅や業務床の供給のための「土地の高度利用」は開発者の利益には直結しても,しばしば公共的利益に逆行するものとなるのであり,再開発地区計画制度の目的規定は,このようなことのないよう「健全で合理的な」土地利用でなくてはならないとしているのである。再開発地区計画制度による住宅・業務床の供給促進は,地域環境の改善等の公共的利益と統一的に果たされなくてはならないのであり,地域環境破壊を正当化するものとはなり得ない。原判決はこのような法の趣旨を理解しない,誤ったものである。

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