2011年9月19日月曜日

財務会計法規違反:二子玉川ライズ住民訴訟控訴理由書

3 本件における財務会計法規違反

(1) 原判決の誤り

ア 原判決は上記の通り,世田谷区長らが東京都知事らの先行行為(本件事業認可決定など)を尊重すべき義務があり,これを拒むことは許されないとしている。その論旨はいかにも上記一日校長事件最高裁判決に則ったものであるかのように見える。

しかし同最高裁判決は,法令を厳密に分析した上で,教育の政治的中立性などの憲法的な価値をも考慮しながら教育委員会の独立性が尊重されるべき所以を説得力をもって展開しているのに対し,原判決のこの部分の理由付けは以下に述べる通りお粗末という他はない。

イ 原判決は,原因行為が東京都知事らの権限に属することを根拠に掲げているが,それがどうして尊重されるべきことになるのかの理由付けは全くない。一日校長事件についても,問題となった人事に関する処分は教育委員会の権限であり,地方公共団体の長が行うべきものではないことは所与の前提となっていたが,最高裁はその上で地方公共団体の長が財務会計法規上,如何なる義務を負うのかが詳細に検討されているのである。

このように先行行為を行う権限が財務会計行為者とは別の.体に属しているケースにおいては,常にこれを尊重しなくてはならないなどとは考えがたく,上記最高裁判決の趣旨にも反することが明らかである。
http://www.hayariki.net/futako/090401rise.html
上記八ツ場ダム費用支出差止事件判決においては,先行行為たる建設費負担金の納付通知は,国土交通大臣の権限に属し,しかも被告(財務会計行為者)に建設費負担金を支出すべき法的義務を課すものであるが,それにもかかわらずこの先行行為が無効であった場合,(それが義務の履行という形であっても)その支出等の財務会計行為をしてはならないという財務会計法規上の義務があるとされている。

本件でも,先行する本件事業認可決定が他の行政.体の権限に属していたとしても,それが違法であった場合,それに基づく支出をすることが適法か否かとの問題は残るのであり,結局このような場合,被告世田谷区長らは如何なる財務会計法規上の義務を負っているかを具体的に検討していくことが不可欠なのである。ところが原判決はこのような検討を一切することなく,最高裁判決の結論だけを拝借した「手抜き=間に合わせ判決」にすぎない。

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