2011年8月22日月曜日

『貧困ビジネス』ゼロゼロ物件の怖さ

本書(門倉貴史『貧困ビジネス』幻冬舎新書、2009年)は、急増する貧困層を食い物にして儲ける貧困ビジネスを取り上げた新書である。ゼロゼロ物件、リセット屋、偽装請負、人身売買、臓器売買など様々な貧困ビジネスを紹介する。モラルを失った業者の貧困ビジネスは日本経済の末期症状を示している。
中でもゼロゼロ物件の欺瞞には恐怖を覚えた。ゼロゼロ物件は「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、僅か数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する。一見すると敷金や礼金がないために消費者に有利に見える分だけ悪質である。しかも他の貧困ビジネスと比べて、貧困層以外の幅広い層に応用可能なために有害性が高い。
本書は紹介が中心で、貧困ビジネスを撲滅する政策や被害者の救済策についての記述は薄い。ゼロゼロ物件業者への提訴や宅建業法違反の告発など貧困ビジネスに対する消費者の権利回復の闘いが全国各地で起きている。それらの運動の紹介も今後は期待する。
(林田力)
http://www.hayariki.co.cc/

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