2011年7月10日日曜日

飛鳥燃ゆ

本書は大化改新で暗殺された蘇我入鹿を主人公とする歴史小説である。蘇我入鹿と言えば山城大兄王一族を虐殺し、専横を極めた悪逆非道の人物との印象が強い。しかし、本書では唐の強大さを認識する先見性ある人物として描かれる。
蘇我入鹿は唐の強大さを認識するが故に唐を刺激する韓半島への関与に否定的である。これに対して蘇我入鹿の政敵となる長老派はミマナ日本府の復興を掲げる。本書では新鮮な歴史観を提示する。ミマナが日本の植民地だったのではなく、実態は日本がミマナの植民地であった。日本は本国を失った流浪者らによって形成されたようなものであった。
愛国心が国を滅ぼすとの唐の高官の言葉が印象的である。実際に蘇我入鹿亡き後の日本は百済復興という無謀な戦いを進めて、はくすきのえで大敗し、亡国の危機に陥る。国際的視野に欠ける近視眼的な長老派は第二次世界大戦時の軍部にも重なる。林田力
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