2011年6月14日火曜日

機動戦士Vガンダムと機動戦士ガンダム00

『機動戦士ガンダム00』2ndシーズン放送開始:林田力
TBS系列のテレビアニメ『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズンが2008年10月5日の第1話「天使再臨」から放送を開始した。本作品は第1期が2007年10月から2008年3月にかけて放送され、今回が続編になる。

第1期ではユニオン、AEU、人革連の三大勢力が対立する世界で、私設武装組織「ソレスタルビーイング(略称CB)」が戦争根絶のために武力介入する展開であった。CBの武力介入の影響もあり、世界が地球連邦に統一されるところで第1期は終結した。

第2期は、それから4年後である。地球連邦政府は独立治安維持部隊「アロウズ」を設立したが、それは統一を名目に反対勢力への非人道的な弾圧を行う組織であった。繰り返される争いの現状に、刹那・F・セイエイらは再びガンダムに乗って戦うことになる。

ガンダムの世界では地球側の勢力(例:地球連邦)と宇宙側の勢力(例:ジオン公国)の戦争が伝統的な枠組みであった。それぞれに正義と悪を抱えており、単純な勧善懲悪にはならないが、対立軸は明確であった。これに対し、本作品の第1期では三大勢力が互いに争う中で、CBは武力紛争を起こした勢力を攻撃するユニークな設定であった。

CBにとっては戦争することが絶対悪であり、戦いの動機を問題としない。戦争を行う当事者は理由を問わず武力介入の対象になる。CBは「弱気を助け強気を挫く」存在ではない。大国に挑む小国の軍備でも容赦なく攻撃する。一方、CB自身がしていることも武力の行使である。CBは戦争を根絶するために武力介入するという矛盾に満ちた存在である。ガンダム作品の中でも非常に難しい作品になっている。

第2期では第1話を観た限り、CB対アロウズに対立軸は集約されそうである。戦争を根絶させるために統一政府「地球連邦」を樹立したが、その結果、強力な統一組織による圧制と弾圧が生まれるという結果は皮肉である。テロとの戦いを名目に政府の権限が強化されている現実社会への警鐘とも捉えることができる。

アロウズは無差別殺戮を行うなど分かりやすい悪として描かれている。分かりやすい悪を倒すことでハッピーエンドというストーリーは分かりやすいが、戦争根絶という難しいテーマを掲げた作品の結末としては物足りない。分かりやすい悪を倒しただけで戦争が根絶されるほど世の中は単純ではない筈である。

前番組の『コードギアス 反逆のルルーシュ』も第1期と第2期に分けて放送された作品であるが、第1期では日本一国の独立を目指したのに対し、第2期では世界の平和を目指す点でテーマが拡大されている。第1期では戦争根絶という壮大な目標を掲げた本作品が第2期では目の前の巨悪を倒すだけで終わってしまうことはないと思われる。どのような展開が待っているのか、期待したい。

また、アロウズは地球連邦の歪みを反映した強硬派組織という点で『機動戦士Zガンダム』のティターンズを想起される。本作品の一世代前のガンダム作品『機動戦士ガンダムSEED』は遺伝子改良された人種コーディネーターを登場させるなど独自の世界観を投影した作品であった。

しかし、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ではファーストガンダムの再利用が目立った。『DESTINY』ではモビルスーツにザクやグフ、ドムが登場した上、「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」の名台詞やジェットストリームアタックなどが使われている。歴代ガンダムと比べてもユニークな世界観を持っていた『機動戦士ガンダム00』も続編では既存作品の影響を受けることになるのかも見所である。

物語内の時間の流れは第1期から4年経過しており、その間に地球連邦政府の樹立という大きな出来事も生じている。その第1話となると説明で終始してしまいがちになるが、本作品では冒頭から激しい戦闘シーンもあり、映像作品として迫力があった。今後も期待のアニメとして注目していきたい。
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